公共無線システム開発

公共無線システム開発について

飛行機や列車の安全な運行、災害時の緊急放送などで重要な役割を果たすのが、公共無線システムです。例えば、高速で走行する列車の運転手や車掌に、運行管理本部からの運転指令連絡を直接伝えるためには、安定した品質での無線通話が欠かせません。また災害時には、通信規制に左右されずに、住民に直接災害情報を伝達できる防災無線システムが活躍します。

株式会社エヌアイデイでは、空港・列車・防災・消防といった現場で使用される無線システムの開発を、これまで40年以上手がけてきました。アナログ無線の時代に始まり、TDMAデジタル無線MCA (Multi Channel Access) システム、国内標準規格であるARIBに準拠した各種通信プロトコルまで、常に最新の技術を取り入れた高い技術力で、社会の基盤である重要な無線システム開発を提供しています。

開発事例

列車無線システム

多くの列車路線(新幹線、在来線、地下鉄など)では、全列車がダイヤ通り運行されているかを、運転指令所の指令員がリアルタイムに監視しています。ダイヤの乱れや事故などが発生した際には、指令員が乗務員や現地作業員と直接連絡をとり、正常運行に戻すための運転整理を行います。こうした通話で用いられるのが、列車無線システムです。個別通信、一斉通信、割り込み通信、緊急通信など、必要に応じてさまざまな通話方式を柔軟に切り替えることができ、高速移動体通信技術をもとに列車の位置を管理することで、効率的な通話路を形成しています。デジタル無線を活用した、列車無線経由でのインターネット接続サービスは、顧客サービス向上にも貢献しています。

空港無線システム

空港では、パイロットが離着陸時に航空管制官と連絡をとる以外にも、機内清掃や整備、旅客案内、警備などのさまざまな業務で、無線通信が重要な連絡ツールとなっています。安定した無線通信を確保することは、航空会社や空港会社スタッフの間の連携をスムーズにするだけではなく、幅広い災害対策にも繋がります。エヌアイデイでは、乗客の安心・安全を守り、効率的かつ迅速に業務を行うための、空港無線システムの開発を手がけています。

防災行政無線システム

自然災害の多い日本では、非常時において、いち早く災害の規模や現場を把握し、的確な災害情報を地域住民へ伝達することが不可欠です。防災行政無線システムは、携帯電話などと異なり災害時にも通信規制のかからない確実な連絡手段として、自治体と住民を結び付ける重要な役割を担います。音声での放送だけでなく、ファクシミリ放送や文字放送にも対応し、平常時には地域情報の発信媒体として活用が可能です。あらゆる状況を考慮した豊富な機能で、安全で豊かな暮らしの実現に貢献しています。

消防・救急無線システム

消防本部や消防署などの基地局と、出動している消防車・救急車との連絡に用いられるのが消防・救急無線システムです。一般的な携帯電話では1対1の通話ですが、消防・救急無線は、出場指令、連絡などの通信を１：Nつまりグループ通信でも行えるほか、データ伝送(心電図など)も可能です。エヌアイデイでは、モバイルシステム開発で培った技術を生かし、GPSで消防車・救急車の現在位置や活動状況をリアルタイムで把握できる車両動態管理（AVM）システムの開発も担当。効率的な消防・救急活動を可能にしています。

NIDの強み/特徴

エヌアイデイは、長年にわたって公共無線システム開発に従事してきた実績があり、特に呼制御アーキテクチャなどのマイコン制御に精通しています。お客様の要望に応じた柔軟な設計や開発工程管理にも実績があり、積極的な提案や打ち合わせを重ねることで課題解決を促し、開発作業の効率化を図っています。長く合同開発に従事してきた電気機器メーカー様からは、列車無線・消防無線・防災無線などの優秀な功績を認められ、パートナー表彰もいただきました(2019年)。

できるわけある NID

スマート化の波は公共無線システムにも及んでおり、総務省からの告知によりアナログ方式の周波数の使用期限が2022年と定められたこともあって、デジタル方式への移行が急速に進んでいます。多くの公共無線が被災し不通となった東日本大震災(2011年)など、過去の教訓を生かした耐災害性の強いICTシステムの技術も、急速に進歩しています。エヌアイデイでは、高い通信品質や電波の効率的な利用に配慮した無線システム開発を通して、社会の安心・安全、危機管理に寄与していきます。

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